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魔王「飽いた」

おれが。じゃあおれが。いや、おれが。どうぞどうぞどうぞ。




魔王「退屈じゃ。」

側近「魔王様?」

魔王「復活を遂げてからうん百年。妾を倒しにくる冒険者ももはや居らぬし、勇者はひとたび妾に負けてからというもの、レベルアップに専念して来てくれぬ。」

側近「最近は目的と手段が入れ替わっておりますな。」

魔王「侵略にもそろそろ飽いた。」

側近「そのようなこと仰りますな。」

魔王「……そうだ良いことを思い付いた。側近よ、其の方の剣にて、妾を貫いてみよ。多少は刺激になるやもしれぬ。」

側近「えっ」

魔王「遠慮はいらぬぞ。」

側近「い、いいんですか?魔王様のお望みとあれば///」

魔王「なぜ脱ぐ?……違う違うそうじゃない。剣てソレの比喩ではないわ愚か者。」

側近「はやとちりはやとちり。」

魔王「全く其の方はそそっかしいの。……そうじゃ。せっかく脱いだのだ。人間共の間で流行しているアレをやってみよう。メイドや。」

使用人「はっ、これに。」

魔王「例の物を。」

使用人「心得ました。」

側近「巨大な鍋でございますね。」

魔王「ほう。よう煮えておるわ。メイドやメイド。」

使用人「お任せを。」

側近「ちょ、うわっ!?魔王様なにゆえわたくしを蜘蛛糸で吊り下げまするか。」

魔王「ほれ、側近。箸じゃ。」

側近「鍋上で箸……これはまさか!」

使用人「ネットーシャブシャブでございます、側近様。」

魔王「全裸の男を巨大な鍋の上に吊るし、鳴く声を愉しむ伝統的な遊びらしいの。」

側近「何か大幅な誤解をなさっておりまするぞ魔王様!」

魔王「さてメイドよ。肉を持たせてやれ。」

使用人「かしこまりました。側近様、本日は魔王様の御要望により、コウビー牛のフィレ肉を調達して参りました。」

側近「また斯様に無駄な支出!?お待ちください魔王様!これ鍋で煮えているの湯ではなくて溶岩ではござりませぬか!」

魔王「たかだか熱湯など、其の方にとってはぬるま湯も同じであろう。さてメイドや。」

側近「メイド!そのロープから手を離すなよ!絶対離すなよ!」

使用人「流石は側近様。始める合図となる御作法までご存知とは。」

側近「いやいやいやいやおかしいあちゃー!?」

魔王「おや。箸と肉が燃え尽きてしまったな。」

使用人「新しい物をご用意いたしましょう。」

魔王「側近や、作法に則って『ひしゃく』で湯を掬い、撒かねばならぬぞ。」

使用人「側近様、動きません」

魔王「楽しゅうないのう。」

使用人「左様でございますか」

魔王「次行ってみようかの」

側近「う……何ぞわたくしに怨みでも」

使用人「先日の宴会芸が不評でございましたから。」

魔王「鳩を出されてもなあ。魔族がマジックってシュールすぎて妾の理解の範疇外よ。」

側近「それを仰せなら、ドラゴンとて同じでございましょ!?ドラゴンのくせに『火を吹きます』って!!」

使用人「龍殿は、すでに先程オデンの刑に処されました」

側近「なにそれ……」

魔王「こう、羽交い締めにされて熱した野菜や魚のすり身を顔で受け止めるという」

側近「人類はなんてものを生み出してくれたのだ」

魔王「安心せよ側近。次の会合までには、面白くしてやるからな。」

側近「リアクション芸の習得は結構です!」

魔王「まあそう遠慮するでない。ほれ。この菓子もお食べ。」

使用人「魔王様のご命令により、辛子を仕込んで参りました」

側近「ネタバレしたらリアクション取りにくいよ!」

勇者「久しぶりだな魔王覚悟!」

側近「お前もややこしいときにくるんじゃないよ勇者!」

勇者「全裸で宙吊り!?へ、へんたいだー!」

側近「ぎゃーッ!?」

魔王「よくも側近を!勇者め許すまじ!」

勇者「望むところだ今日こそお前を倒すぞ魔王!」

魔王「かかって来い!手加減はせぬぞ!」

使用人「……側近様。」

側近「ぷすぷす」

使用人「ご覧くださいあの魔王様の御顔。」

側近「こげこげ」

使用人「あんなに楽しそうな魔王様は初めて見ました。」

側近「」

使用人「カラダを張った甲斐がありましたね。」

側近「」

使用人「きっと、次の宴では、宴会部長賞は側近様のものとなりましょう。私もうかうかしていられませんね。」

側近「」

使用人「次の宴が迎えられるように、私も魔王様に加勢して参りましょう。」

勇者「必殺……」

魔王「こい勇者!」

勇者「細かくて伝わりにくいモノマネ!『一定以上近付くと動き始めるガーゴイル像の前でチキンレースする黒魔術師』」

魔王「あははははは!勇者め!あははははは!」

使用人「ぷふっ」

魔王「今度はこちらからゆくぞ!(ずるっ、ぺちぺちっ、にゅるっ)……姫の作ったカップケーキ。」

勇者「ひっ……く、はーっ、はーっ、ひ、卑怯だぞスライムを横に使うなんて!」

魔王「何とでも言うがいい。」

勇者「魔王というだけあるね。ボクもカンストするまでレベルを上げた甲斐があったというものだよ!これならどうだ!『うぃんうぃんうぃんうぃん。ヤッパ、ナマヌルイデスネー』」

使用人「ひーーーーーっ。それはあれですか!あれなんですね!?北の氷山の!」

側近「何のレベルだ!魔王様やめてください。そのような馬の面など絶対に被ってはなりませぬぞ!使用人も息できなくなるまで笑うな!なんなのですかこれは。」

魔王「所詮は裸になれば笑いが取れると思っている其の方の考え方は古いのだ。」

側近「思ってませんし!なんなのですかこの茶番は!」

魔王「其の方もわからないやつだな。良いか。」

勇者・魔王「笑いが世界を救うのさ(だ)!」

<飽いた。>
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