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緋色の魔女別ルート

緋色の魔女にルート分岐があったら。
ギャグ。全員生存。








青年「喉が渇いた。」
青年「水差しが空だ。」
青年「彼女は本当にわたしを閉じ込める気はないんだな。内側からしか鍵がかかってない。」
青年「脚もすっかりよくなって」
青年「わたしの馬も見つかって」
青年「戻ろうと思えば森をでることも可能なのだが。」
青年「部屋の中は暖かいし、興味深い本はたくさんあるし、サインしなきゃいけない書類もなければ、結婚をせまる貴族共もいない。」
青年「その上、女の子が毎日世話をやいてくれるし、湯の湧き出る泉もあるし、城のシェフの見た目だけ豪華な食事も食べずに済む。」
青年「塔の中が快適すぎて帰れない……」
青年「……今夜は満月か。」
青年「明るいな。」
青年「しまった。キッチンへはひとつ前の角か。たしかこちらは彼女の部屋に続く階段だ。」
青年「なぜわたしは階段を登る?」
青年「そこに階段があるからさ」
青年「……扉が開いている。」
青年「覗いてくださいと言わんばかりの絶妙な開き加減。」
青年「……ごくり。」
青年「たまたま通りかかってたまたま見えただけ、と。」
青年「……!!」
青年「見えない。」
青年「ぎりぎり死角になって」

ギィー……

青年「『そのとき、招くように扉がひとりでに開いたのだ』」
青年「多少力は加えたけれど。」
青年「なんか、こう、魔女の部屋と自称するからには何かおどろおどろしい小道具とかあってもいいんじゃないかな。」
青年「書物机にクロゼット、そしてベッド。必要最低限の家具以外は何もない……。」
青年「ベッド、か。」
青年「魔女殿はキルトに包まって眠っている、と。」
青年「……『フードを無理に取らせることはしない』とは約束したけど、キルトをはがしてはいけないとは言われなかったな」
青年「……よし、そーっと」

青年「!」

青年「これは……」
青年「ちょっと想像以上だったな。参った。」
魔女「んぅ……」
青年「まずい。」
魔女「……変な夢、見ちゃった」ぱちっ。
青年「やあ、おはよう。」
魔女「!?」
魔女「えっ、ちょっとまって。ちょっとまって。なぜ貴方がここに。」
魔女「貴方まだ歩けないって」
青年「今急に歩けるようになったんだ。」
魔女「そう、それは良かった。」
魔女「…………」
青年「…………」
魔女「……こ、こ、こ、ここでなにを!」ずざざざっ
青年「……夜這い?」
魔女「み、見たのね!?見ちゃってるのね!?」
青年「ああ、毛布を被り直さないで。『血の色の髪に雪の肌、瞳は焔』」
魔女「あ……!」
青年「常人とは違う髪色と瞳の色。赤毛、とは違って本当の真紅だし、赤い瞳というのもなかなか珍しい。ある意味では噂に真実も混ざっていたわけだ。だが……」
魔女「お願い手を握らないで。髪に触れてはいけません。」
青年「君は、今まで会ったどの女性よりも美しい。」
魔女「なに言ってるの!?」
青年「どうかこっちを向いて。怯えさせてしまったね。」きゅっ。
魔女「ひぅっ……!」
青年「わたしのことは、嫌かな?」
魔女「……キライだったら、こんなに長くここへ泊めたりしないわ」
青年「そっか、良かった」
魔女「そ、そんなに見つめないで……」
王子「君の全てが知りたい。君の全てが見たいんだ。」
魔女「だ、だめよそんな、だめ、いけませ……ん」



姫「殿下がお戻りにならない……」
剣士「手紙は来てますし、間違いなくあの方の筆跡ですが」
姫「ちょっとどういうことなの!?理想の女性に会ったって!おふざけになってるの!?」
剣士「殿下には困ったものです。」
姫「連れ戻しなさい!『影』では代用の効かない仕事がどれだけ溜まっていると思っていますの!」
剣士「……手配いたします。」



魔女「身体の調子が変なの。頭がぼうっとして、どきどきするの。」
医師「症状はいつからです?」
魔女「森に迷い込んだ鹿狩りの男の人を塔に泊めて、怪我の治療をしたのだけど……」
魔女「怪我が治ったけれど、数ヶ月滞在なさって。先日、お家からのお手紙を見ておかえりになったの。」
魔女「それからずっと、胸が締め付けられるみたいに苦しいの。」
医師「……それで、足の怪我の治療について熱心にお聞きになっていたわけですね。」
魔女「もしまだ歩けないのだったら、お医者様の貴方を呼んでたわ。」
医師「ひと月も僕を塔から遠ざけていた理由が今わかりました。」
魔女「ねえ原因は何?こんなことは初めてで、なにも手に付かないの。」
医師「えーと」
医師「その男性となにか性的な接触を?」
魔女「せいてき?」
医師「性行為。」
魔女「……!?」
魔女「ど、どうしてわかったの……?」
医師「ちょっ……え?」
魔女「は、はずかしいわ……」
医師「……は?」
魔女「あの方ったら強引だけど優しくて、あの方の美しい目を見ていたら、抵抗する力も抜けてしまって……どうして急に頭を抱えて蹲っているの?」
医師「いやちょっと長期計画が音を立てて崩れたことを実感しまして。まだ機が熟してないというのに、この有様かー。」
魔女「?、よくわからないけど、残念ね?」
医師「ああもういいです。次頑張ります。お許しください我が君。……それで?相手は誰か聞きましょうか。」
魔女「それが……お名前を存じ上げないの……」
医師「僕が言うのもなんですが、そんな不設楽な子に育てた覚えはありませんよ。」
魔女「育ての親に似たんじゃないかしら……」
医師「もうちょっと貞操観念とか教えておくべきだったと日頃の行いを反省してます今。」
魔女「割り切ったお付き合いしかしてないって言いながら、15歳以上くるもの拒まずだものね。いつか刺されるわ。」
医師「……イーヴァも喰っちまいますよ」
魔女「……やぁ…っ」
医師「ジョークですよイヴァンジェリン。一人前に女の顔して拒否して、なんかムカつきますね。」
魔女「もう!からかわないで!それで、これはなに?風邪の症状とは違うようなの。」
医師「そうですね、イーヴァ。その病に関しては、僕がどうこうしていいものかどうか。」
魔女「そんなに悪いの?死者をも蘇らせる名医と名高い貴方が手に余る?」
医師「ええ。それは、なんというか、子供が貴女の胎内に。」
魔女「こっ……!?」
医師「火遊びならもうちょっと上手くやれよ莫迦王子。」
魔女「ドクター?」
医師「ああいえ。ちょっと目眩がしただけです。」
医師「貴女の体に触れたのは、その人だけですか?」
魔女「当たり前でしょう!見るだけで呪われると噂される魔女に触れようとする人間はあの方以外にいないし、いたとしても、あの方以外に触れさせないわ!」
医師「死にたくなってきました。」
魔女「?私が子供の頃からその姿のまま変わらない不老不死の貴方がどうして?」
医師「いーですべつに。さて、貴女のその病?の原因は、この手紙と小包の贈り主の様ですよ。」
魔女「封蝋に、王家の紋?」
魔女「王家から手紙がくる心当たりはないのだけど。『わたしの愛しいイヴァンジェリン』」
魔女「あの方の筆跡だわ!」
医師「とっとと読んだらいかがです」
魔女「『急に帰ったりしてごめん。ずっと君の事を考えている。今すぐ君の元へ駆けつけて抱き締めたい。:アンドレアス』アンドレアス?彼の名前はアンドレアスというの?」
医師「アンドレアス王子です。この国の王のご子息ですよ。」
魔女「王子様!?」
魔女「通りで美しく、逞しい方だと思ったの……。」
魔女「アンドレアス様……」
魔女「これは……真珠の髪飾りだわ。なんて綺麗。似合う?」
医師「あーはいはい似合います似合います。しかし困りましたね。貴女はつまり、王子の子供を宿してしまったわけですよね。」
魔女「!」
魔女「そ、そうよね。王家に魔女の血を入れるわけにはいかないでしょうね。」
医師「全く余計な事を……」



従者「貴様何ヶ月もどこで何をしていた!収穫祭もすっぽかして!」
王子「やあ、アレックス!久しぶりだね!」
従者「ツヤツヤしやがってこの野郎。ぼくが王位継承して王国を乗っ取ってやろうと何度思った事か。」
王子「怒るなよ。」
従者「身分を偽っての花嫁探しの旅とやらは、もう満足したか?」
王子「わたしは、女神に会った!あの娘を妃にする!」
従者「また君の悪い癖だ。でも、君が行ったのはアイソルド領だろう。あの領主のところに姫君なんていたか?」
王子「いや。あそこの子供は三歳の男児だ。」
従者「まさか……不倫はまずいよ、君。」
王子「違う違う。君はわたしをなんだと思っているんだ。わたしが訪ねたのは森だよ。噂では、絶世の美女がいると」
従者「その森は魔女の森っていう名がついてなかったか。美女は美女でも、色香で人を惑わす魔女だろう。」
王子「しかし、彼女には誰も触れていなかった様だが。」
従者「なぜそんなことがわか……まさか」
王子「こう、涙目でいけません、いけませんって戸惑う彼女見てたら、嗜虐心をそそられてつい。」
従者「君って奴は……!」
王子「責任は取る。教育者は誰か貴族のものらしく、彼女は教養、気品、美貌、どれをとってもどこに出しでも恥ずかしくないからね。」
従者「君は自分の立場が」
王子「世継ぎのことを考えるのもわたしの仕事だって、君が言ったんだよアレックス。」
従者「しね!」



王子「髪の色が、淡くなってるね。」
魔女「そうなの。貴方があの色が好きだって言ってくれたのに。魔法もマトモに使えなくなってるし。」
王子「わたしはあの色が好きなんじゃない。君の髪の色だから好きだったんだ。つまり、君であればどんな色でも好きだ!」
魔女「アンドレアス様……!」
王子「君がわたしを拒絶するから、とうとう嫌われてしまったのかと思ったら、そうかー。」ナデナデ
魔女「お腹を撫でてもまだわからないわ?あの、やっぱり私のような賤しい身分の者を王家に迎えるわけにはいかないと思うの。」
王子「プロポーズをいつになったら受けてくれるのかな。わたしが信じられない?」
魔女「そうじゃないわ。そうじゃないけど……」
王子「不安にさせてごめん。きっと君を迎える準備をするから。」



従者「ちょっと待とう。落ち着けアンディ。今なんて言ったんだ?もう一度言ってくれるか?聞き間違えたかもしれないから。」
王子「だから、彼女にはわたしの子が」
従者「はあああああ!?貴様そこに直れ叩き斬る。また見ず知らずのお嬢さんに手を出して、あまつさえ今度は……!」
王子「はっはっは。姫巫女だからと拾われた君が手を血なんかで穢したらなんの役にもたたなくなるだろう。」
従者「こっ!この変態め!ぼくにこんな格好させて侍らせながら、余所の娘に手を出して!」
王子「君には手を出してないじゃないか。」
従者「うるさい黙れ!君なんて最低だ!」
王子「何を怒っているんだ。君に仕事を押し付けたことか?君にわたしの服を着せてることか?君の国を父上が吸収したことか?」
従者「だーまーれー!貴様なんかだいっきらいだ!」
王子「わたしは別に君が嫌いというわけではないが、君のことは兄弟みたいなものにしか」
従者「えーいしねえ!」
王子「ぎゃあああ!?」
従者「エルランジェ殿を呼べ!去勢してやる!」
剣士「ちょ……アレックス待……」
従者「うるさい黙れ!」



医師「はあ。」
姫「最低だ!なぜわたくしではないのだ!わたくしのなにがいけないのだ!」
医師「…………」
姫「貴様今胸に視線をやっただろう魔族め!貴様もか!胸の大きいのがそんなに重要か!」
医師「いや見てません見てません。なんですか人聞きの悪い。」
姫「魔族にまで胸の大きさを馬鹿にされたああああ!うわああああん!」
医師「そんなにあの王子が欲しいのですか?」
姫「……」こくり。
医師「叶えて差し上げましょうか。」
姫「……本当なのか!?」
医師「あなたの欲するものは、僕が叶えて差し上げます。魂でしょうが肉体でしょうがご随意」
姫「本当に、本当に胸が大きくなるのか!?」
医師「そっちですか」
姫「や、やらしいのはダメだぞ。触られるのは……き、貴様だったらちょっとだけなら許してやらないことも」
医師「迫りながら顔を赤らめないでください。あの、王子のことは」
姫「そんなものより今は豊胸の話しだ。どうすればいい!?なにをすれば……ぬ、脱ぐのか。やはり脱がなくてはだめなのか。しかたあるまい。あまりじろじろ見るのではないぞ。」
医師「脱がなくていいです!脱がなくていいですから!」
姫「そうか。ほっとした。今日のわたくしの下着はあまり可愛いものではないからな。」
医師「そういう発言はリアルなんでやめてください。」
姫「今日のところは帰してやる。今度くる時は、ね、閨で逢ってやってもいい。」
医師「大変魅力的なお誘いですが、貴女は他のご婦人と違って僕が何者かわかってるんですよね?」
姫「それだ!もう他の女に手を出すのも禁止だ。わ、わたくしの、わたくしだけの主治医としてやる。貴様が望むのなら、その……わたくしを好きにしても良いぞ。」
医師「うわ逆に手を出しづらい」
姫「貴様はわたくしでは不満か?やはりわたくしの胸が小さいから」
医師「いいえ。貴女は魅力的です。愛のわからぬ魔族が恋に落ちるほどに。」
姫「……ばかめ。」



王子「思いついた!」
姫「ほう、なんだ言ってみろ。」
王子「男ができたのに相変わらず胸小さいな」
ぐぎっ
王子「ごめんなさい。」
姫「言ってみろ。」
王子「まず東の国の姫と政略結婚の話が来ている。これを受ける。」
姫「ああ?」
王子「でもわたしはその姫がタイプでないので姫は抱かない。姫も同様、わたしではなく、今現在、実は反対されている恋人がいる。」
姫「おい」
王子「後継のことで、当然騒がれる。そこへ、わたしの恋人にしてわたしの子どもを身籠ったイヴァンジェリンの登場。寵姫として迎える。妃からは愛想を尽かされるというシナリオだ。」
姫「よし。しね。」
王子「ぎゃあああああ!?」



魔女「なんだか、想像してたよりもみなさんあたたかく迎えてくださいました。」
姫「なんかどっちかっていうと、あれですわね。同情ですわね。」
魔女「私の魔術に関するノウハウも、なんだか役に立ってるみたいですし。」
姫「殿下や他の誰かが貴女になにかしたら、わたくしに教えてくださいましね。」
魔女「ええ。ほんとうに、姫君にはなんとお礼を申せばよいか。」
姫「いいのよ。それにしても、姫ちゃまは綺麗な赤ちゃんね。」
魔女「でも、髪の色と瞳の色がこうですから、何と言われるか。」
姫「紅い髪に、アメジストの瞳は珍しいけれど、魔力の影響下で色が変化するって事例はよくあるものよ。わたくしだって、金色の瞳でしょう?高い身分さえあればなんとかなるものよ。わたくしにまかせて。」
魔女「ひめさま!」



幼女魔王「シアンくん。」
医師「はい。」
幼女魔王「ちょっと正座。」
医師「……はい」
幼女魔王「私の想定年齢は?」
医師「妙齢の美女でございました。」
幼女魔王「どうしてこんなに視線の高さが低いのかしら?」
医師「手違いが。確かに真実の愛とやらで、我が君はお目覚めになったのですが、お目覚めになった先が人間の胎児でしたのでそこまで成長なさるまで、ご意志とお力が発揮出来ず」
幼女魔王「シアンくん。」
医師「はい。」
幼女魔王「反省。」
医師「……申し訳ありませんでした」



村娘「ねえねえ剣士様?」
剣士「あ?」
村娘「出番は?」
剣士「ねえよ。」



<了>
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