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勇者「なにいってんの?」

魔王と勇者。台詞形式。つづかない。






勇者「漸くたどりついた。魔王の魔力はここから伝わってくる。」

勇者「魔王城は最後のダンジョンだけあって、道程はすごく辛かった。」

勇者「ここが、僕の旅の終着点だ。」



魔王「よくぞ、ここまで。」

勇者「君が、魔王か。ずいぶん、想像したのと違うな。もっと謁見の間とかで待ち構えているものかと思っていた。こんなところで膝を抱えているとはね。」

魔王「ふ、ふん。この城の主がこの城のどこでなにをしていようが勝手であろう。」

勇者「そうやって、急に飛び出て我々人間を油断させようという魂胆か。」

魔王「何とでも言うが良い。ところで貴様、どこからここまで辿り着いたのだ?」

勇者「女神の加護をうけ……」

魔王「ふん、そういう抽象的なくだらぬ話はよいのだ。」

勇者「何?」

魔王「この部屋まで、どうやって辿り着いたかと訊いている。」

勇者「答える義務はないな」

魔王「……地図とコンパスを持っているのか?」

勇者「地図はさっき四天王の最後の一人を倒した時に燃えてしまったし、時空が歪んでいるから、ご覧の通りコンパスは役に立たないね。」

魔王「帰り道を辿れるように、印はつけているのだろうな?ダンジョン脱出用のアイテムは持っているか?」

勇者「印なんてつけてないし、アイテムは君の手下に奪われたが……何故そんなことを?」

魔王「……」

勇者「こんな問いに何の意味がある?」

魔王「……」

勇者「何を企もうと無駄だ。戦いを、始めよう。」

魔王「まあまて。そう慌てるな。吾にこの迷宮からの脱出方法を教えてからにせよ。」

勇者「……は?」

魔王「自室周りしかわからぬに、初めて参じた宝物庫から戻れず困っていたところだ!」

勇者「なにいってんの?」

魔王「この際、吾の手下共を倒してくれたことは不問としよう。せめてこの地下から出してくれ。」

勇者「うん。もしかして魔王っていうのはアタマがわるいのかな?」

魔王「相手を莫迦扱いする方が莫迦なのだ!ばーかばーか!」

勇者「我々人類はこんなものを脅威に思っていたのか……?」

魔王「畏怖せよ!そして吾に教えるのだ!一番近いバスルー……いや、とにかくこの地下から戻る方法を教えるのだ!」

勇者「もしかして」

魔王「痴れ者!アイドルは……魔王は排泄なんてせぬ!」

勇者「ふーん。」

魔王「な、なにゆえ剣を構える。いまそれどころでは、わ!?」

勇者「へえ。流石に魔王だけある。君の部下は全員今ので戦闘不能になったよ。」

魔王「きたないぞ勇者!正々堂々闘わねば、その聖剣も光を失うぞ!」

勇者「それは困るな。でも、今このタイミングってすごく僕にとってのチャンスではあるんだよね。」

魔王「魔王が困窮しているところを襲うとはさすがは人間の代表と言ったところか。卑怯である。」

勇者「こう見えて合理的なのさ。じゃなきゃ、真顔で女の子の家の箪笥を検めたりできないし。」

魔王「うううう。」

勇者「ちょっと。僕がダメージ与えてないのに第二形態に変化とかするなよな。」

魔王「堪え易い方に変化して何が悪い!?」

勇者「確かに伝承には、第二形態になった魔王は防御力も上がったって書いてあったけど。今かよ。」

魔王「ふ、ふー。ちょっとだけ楽になったぞ。さあ勇者。貴様をまず力付くで吾に平伏させ、ごめんなさいと言わせてから道案内をさせてやる。」

勇者「ああもう僕の中で今までの苦労とか魔王退治のモチベーションとかが音を立てて崩れていくよ。通りで君の部下が謁見の間というか、君に近づけさせないように尽力してたわけだ。」

魔王「吾が手下に同情するのをいますぐやめろ!」

勇者「まあいいや。君が闘る気になったなら、僕も全力でちょっとまだ戦闘に入る曲も流れてないのにまた変身するのやめてくれない!?」

魔王「安心しろ勇者。吾はまだ、三回の変身を残している。」

勇者「嫌だよ僕トイレ我慢して変身を重ねる魔王を倒した勇者とか名を残すの。」

魔王「ならば諦めてお手洗いに吾を連れて行くが良い!」

勇者「わかったよ今回だけだからな!?終わったらちゃんと魔王の間で戦闘体制整えろよ!?」

魔王「あと腹ごしらえもするから」

勇者「出直すわ」

魔王「あ!魔法で脱出など卑怯だぞ!戻って来い!」

魔王「あ……」

魔王「ぐすん。」


その後、勇者が再び装備を整え魔王城を訪れると、そこかしこに現在地を表示した案内板と、フロア毎のインフォメーションセンターが設置されていたそうです。


魔王「よくぞ、ここまで辿り着いた!褒めてつかわすぞ勇者よ!」

勇者「魔王の間直通シャトルって、君はアホなのか?」

魔王「ふっ。吾がどこからでもこの部屋に戻れるように誂えたのだ。さあいくぞ勇者!今回はお手洗いもシャワーも先に済ませてきた!」

勇者「じゃあ遠慮なく」

魔王「かかって来い!」



すっきりした顔の魔王が現れた!コマンド?

・たたかう
・にげる
>おわる
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