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魔女1

「箒で空を飛ぶなんてナンセンスだわ」
目の前に現れた魔女っ子、そうとしか形容できない女の子は胸を張って宣言した。
とんがりぼうしに黒いミニスカートの細っこい肢体をこれまた黒いマントで包み込み、
肩にはパステルカラーのマスコットキャラクターを乗せている。
「だって、あなた鉄棒に長時間座っていられる?バランスだって取れないし、箒が体重で折れたらショックでもう食事が出来ないわ。」
巨大な怪獣が街中に現れた。怪獣でよいのだろうか。
あれほど大きな生き物がどうやって自重を支えているのか。
どことなく間の抜けたフォルムは、破壊と混乱をもたらした。
「奴等の始末は良いとしても、こんな恥ずかしい格好にどうしていちいち変身しなければならないの?」
奴等、のところで右手の箒の柄を怪獣に向け、不機嫌そうな声音で言った。
マスコットキャラクターは姿におおよそ似つかわしくない低い声で応える。
「ですが、もしも変身しなければ、貴女の正体がばれてしまいます。」
「顔も変わっていないし、ああやって全国中継されているのだから、変身しようがばれないほうがおかしいわ。」
いつも広告を垂れ流している交差点のスクリーンに今は、彼女の姿と興奮するアナウンサーの声が流れている。
「そこは大人のやさしさなんじゃないですか。特定されたらほら、余波で壊した建物とか、人的被害とか、いろいろ請求と訴訟が待ってます。」
「ああ、セイギのミカタをのびのび戦わせてくれない世の中なんて1回あれらに蹂躙されてしまったらいいんだわ。」
「あなたが言うとシャレになりません。」
税金で建てたよくわからない建造物を生物が壊したところで、魔女は諦めたように箒にまたがり、
「じゃあいつも通り、あれを始末するわ。だからあなたも携帯を構えるのをいい加減にして、避難したらどう?」
テレビの中の出来事だった怪獣に初めて遭遇して、逃げることも悲鳴をあげることもできず、とりあえず携帯のカメラを怪獣にむけることしかできなかったぼくの方を向いた。
あとで、魔女と話したこともブログにのせておこう。
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theme : ショート・ストーリー
genre : 小説・文学

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湖丸あいがも

Author:湖丸あいがも
思いついただけで続ける気の無い文章を置いておく場所。
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