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三代目の憂鬱 魔王、謁見する。

彼は緊張していた。
表情だけはにこやかに。
目の前の相手の動きに気を張り巡らせながら。
今のところその相手は、向かいの席で機嫌よく、茶菓子をせっせと口に運んでいる。
演技なのか素なのか判別がつきにくいが、おそらく演技に違いあるまい。
たとえ頬にクリームをつけていようと。

なにしろ、相手は魔王であった。

破壊と混乱、恐怖と絶望をもたらす闇の王。そんなものが、乗り込んできたのだ。
緊張するなという方が無理がある。

「して、魔王殿。御身が直々にいらしたのには何かしら理由がおありなのでしょう。」
「む。先触れを寄越したであろうに、なにも伝え聞いておらぬのか。」

顔を上げ、ちらりとこちらに視線と言葉を投げかける。
姿形は人間の子供である。
しかし、見た目通りの存在では無論ありえない。
龍族の長である彼は、固い動きで僅かに頷いた。
冷や汗が背を伝う。

数日前、確かに魔王の遣いを名乗る魔物が現れたと警備の者が報告しに来たように思う。
しかしこの数ヶ月、そう名乗る偽者が後を絶たず、同じようにつまみ出すよう指示した覚えがある。
その上、今目の前に座る魔王を見つけたのは、日課である首都の視察中であった。

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theme : ファンタジー小説
genre : 小説・文学

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思いついただけで続ける気の無い文章を置いておく場所。
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